322名のオーディション応募者から選ばれた8名の 俳優たちがジェニー・シーレイとの創作に挑みます!

 

聴覚に障害のある演出家による独自の演出表現が、これまでの“演劇”の常識を覆します!

 

 

 

今回の作品は、シーレイがグレイアイ・シアター・カンパニーで確立してきた手法をベースに、日本の俳優たちと共に創り上げる新作となります。

ウィリアム・シェイクスピア原作の『ロミオとジュリエット』の世界を、現代の若者たちの世界とクロスオーバーさせながら、対立する二つの家、世界、感情、立場、価値観などのコントラストを描きます。その中から普遍的な人間のドラマ、愛や友情や憎しみや対立を、どのように浮かび上がらせるのか、シーレイと俳優たちによる挑戦が始まります。

8名の俳優たちは、一人一役ではなく、原作にある複数の役を演じ分けながら、二つの世界を行き来します。

二つの世界や登場人物の変化を象徴的に表す杉山至の舞台美術、川口知美の衣裳とのコラボレーションも注目です。

 

 

<ジェニー・シーレイの演出>

ジェニー・シーレイがこれまで演出を手がけた作品は、全て、舞台上で演じる側にも、客席から観る側にも、耳の聞こえない人や目の見えない人がいる、ということが前提となっています。

自身もろう者であるシーレイは、英国のグレイアイ・シアター・カンパニーの芸術監督として、視覚的言語である手話、映像とともにプロジェクションされる字幕、舞台上の視覚的な情報をセリフとして話すオーディオ・ディスクリプションといった様々な手法を組み合わせ、これまでにないユニークな演出手法を確立してきました。

この手法により、耳の聞こえない人、目の見えない人、手話のわからない聴者(きこえる人)にとってもアクセス可能な舞台が、高い芸術性を持った作品としても成立し得ることを証明し、英国の演劇界でも高い評価を得ています。

 

 

○見えるセリフ

シーレイの作品では、手話はろう者の言語という枠を大きく越えて、登場人物の内面や複雑な感情の層を表し、時に美しい振付けのようでもある「見えるセリフ」として観客を惹き付けます。

 

○聞こえる演技

また、オーディオ・ディスクリプションは、視覚的な情報の説明に留まらず、俳優が登場人物をその内と外から捉え、「聞こえる演技」として、作品に奥行きを与えます。また、観客に直接語りかけるような場面も交えることで、客席と舞台の距離をより近いものにします。

 

○多様な身体—

さらに、それぞれ異なる特徴を持つ俳優の身体、動きを演劇的な視点から捉え、障害の有無にかかわらず多様な身体がそこに在ることから、より劇的で豊かな表現が生み出されることを観客に提示します。

 

○社会と演劇を変えていく—

シーレイの作品と劇団での活動は、その芸術性の高さへの評価を通じて、障害のある人たちへの社会の見方を変えることや、障害のあるひとたち自身のロールモデルとなり、プロのアーティストとして、他のアーティストと対等に仕事をする場や可能性を広げることにもつながっています。同時に演劇の常識を覆し、多様性と独自性を伴う新たな表現を追求し続けています。

 


 

 

主な登場人物


ロミオ       キャピュレット家と敵対するモンタギュー家の息子

ジュリエット    モンタギュー家と敵対するキャピュレット家の娘

乳母        ジュリエットの乳母

ティボルト     キャピュレット婦人の甥

マキューシオ   ヴェローナの大公エスカラスの縁戚、ロミオの友人

ベンヴォーリオ  モンタギューの甥、ロミオの友人

※今回の作品では、8名の俳優が上記の登場人物を基軸に、他の複数の登場人物を演じ分ける予定です。

 

原作のストーリー

舞台は14世紀のイタリアの都市ヴェローナ。そこでは2つの名門、モンタギュー家とキャピュレット家が、長きに渡り血で血を洗う抗争を繰り広げていた。

モンタギュー家のロミオは、友人に誘われるままキャピュレット家の仮面舞踏会に忍び込み、キャピュレット家の一人娘ジュリエットに出会う。たちまち二人は恋におち、両家の争いに終止符を打つきっかけになればと期待する修道僧ロレンスの元で秘かに結婚式を挙げた。

ロミオはその帰り道、たまたま出会ったキャピュレット夫人の甥ティボルトと争いになり、親友のマキューシオを殺されてしまう。親友を失い、逆上したロミオは、仕返しにティボルトを殺してしまう。その結果、大公エスカラスは、ロミオにヴェローナ永久追放の罰をくだす。

一方、ジュリエットはキャピュレットから大公の親戚であるパリスと結婚するよう命じられるが、何とかこの話から逃れようと修道僧ロレンスに助けを求める。ロレンスは、ジュリエットに、仮死になる薬を使いその後ロミオと駆け落ちするという命がけの策を持ちかける。しかし、ロミオにはこの策が伝わっておらず、ジュリエットの死の知らせを受けたロミオはジュリエットの元に駆けつけ、自ら毒を飲み命を絶ってしまう。その直後目覚めたジュリエットは息のないロミオを見て事の成り行きを悟り、ロミオの短剣を胸に突き刺し彼の後を追った。

両家は、争いが若い彼らの命を奪ったことにようやく気付き、和解を誓い合うのだった。